ご 挨 拶   

     この会、ライフロング  エデュケ−ション  ソサエティは、1989年に結成され、いくたの苦難を越えつつ今日に至っております。この間、570 名余りにのぼる人々が、自己表現の場として、社会に対して発言する場、あるいは、もくもくと一人で学び続けたテ−マの発表の場、または、仲間と楽しみながら制作したものの展示発表の場としても多くの人々に活用されている社会教育の会です。

  この会のテ−マは「生きることは学ぶこと」です。そして、生まれたその日から亡くなるその日までの一生涯を通じ「誰でも、何時でも、何処からでも」参加できる会です。

  日本の多くの家庭では、学齢期には「勉強しなさい。勉強しなさい」と言っている割りには、それを過ぎると「そんな呑気なことを言っていられない」と言い、学ぶことが呑気で贅沢なこととされているようにも感じます。

  一方、最近のニュ−スの中では、再三の戦禍にさらされていたアフガニスタンでも、漸く静けさを取り戻し、飢えと寒さに苦しんでいた人々に、世界各地から復興への援助の手が差し延べられつつあると…。その、アフガニスタンの人々が、いち早く欲したものは何かというと、飢えからの解放は勿論ながら、それと同次元に、教育の場の確保を求めたとある…。そして、女性差別の解放を求めてい る…。とありました。それこそ「生きることは学ぶこと」であり「学ぶことは生きること」なのです。「自由に学べる」ということが何れ程貴重なことかということを、世界中の人々に知らしめたと言えるでしょう。

  さて、日本に住んでいる私たちにも、今や経済面でも教育面でも問題が山積している大変な時代ですが、戦後やっと手に入れた筈の、何時からでも「自由に学べる」ということを、今こそ再認識して大切にしたいものです。私たちは、ややもするとぬるま湯の中で好奇心も探求心も失いつつあって、緊張感のない日常生活を過ごしていませんか。これからは、ひとり一人の個性を活かす生き方が求められることでしょう。目標をもって活気のある生活を手に入れるために、身近なところでの工夫や学びが必要なのです。

  この会は、前述のように、学者から幼児までが参加している会ですから、年齢もレベルも違う人々の集まりです。従ってジャンルも巾広く、さまざまな内容のものが研究報告されます。それを「雑多な会」と評される人もいるでしょう。しかし、そのことをむしろ誇りに感じております。

  それは、この会が何よりも一生懸命に学び続ける姿勢に、そして、その過程にこそ、価値を置きたいと考えているからです。

       皆様、お誘い合わせの上、こぞって御参加ください。